【巧妙】駅の駐輪場で封筒にパンパンの札束を拾ったので、初めて見る分厚さにビビりながらも交番に届けた。その行為がとんでもない恐怖の幕開けだとも知らずに…。
後日、いつものように最寄り駅に電車が到着し改札を出ようとしたら、
駅員が仕事そっちのけでヒソヒソと話をしている。
ちなみに、この日もたまたま残業で終電の一本前のに乗って帰宅。
近所の駅は、比較的市内の端のほうにある小さな田舎駅なので、
改札を通る時に切符を駅員に手渡しして通る仕組みになっている。
改札がそれぞれ2つの方向にあるのだが、
いつもなら遅い時間でも自分の他に数名客が
降りていくにもかかわらず、
この日はこっちの改札に全然客がいなかった。
駅員に声をかけて切符を手渡し駅を出たところで、
全てを悟った。頭が真っ白になった。
なんと、駐輪所付近にその筋の方が乗るような車が2台、
外にはイカツイスーツの方々が数名。
駅を出た時点で目が合ってしまった。
ここまで来て、引き返すのはさすがに不自然だったので、
恐る恐る駐輪所へ。
すると、案の定近くに寄ってきた。
893「おう兄ちゃん、最近ここらで連れが
大金入った札束落とした言うんだが、なんか知らねぇか?あ?」
一瞬、シラを切ってその場から立ち去ろうかと思ったが、
もしかしたら監視カメラを仕掛けていてバッチリ証拠があがっている可能性もある。
ここでシラを切って、証拠を突きつけられては分が悪い。
そうだ、警察に届けているんだから何も恐れる事はない。
素直に伝えれば良いんだ!
俺「はい、先日ここに落ちていて、僕が拾いましたけど。。。」
893「あ??てめぇ、人のカネネコババしておいて
タダで帰れると思ってるんか?あ?」
俺「い、いえ、ネコババはしていません。すぐに近所の交番へ届けました。」
893「おまえ、それ本当なんだろうな?」
俺「本当です。すぐ目と鼻の先に交番がありますので、
よろしければ案内します。」
この時点で、平常を装ってはいるものの
もう俺は内心ガタガタに震えていた。
893「わかった。したら乗れや!!」と、車に乗れというのだ。
さすがに車に乗せられてしまうと、
どこか別の場所に連れて行かれるかもしれない。
そうなっても逃げ場がない。
それだけは何としても避けねばいけないと思った。
俺「いえ、本当に歩いてすぐの距離なんです!
ほら、あそこ、見えますか?」
893「だからなんだってのよ!
おれは歩きたくねぇって言ってんだゴルァ!」
俺「じゃあ、僕が猛ダッシュでお車を先導しますので、
着いて来てもらってもいいですか?」
893「。。。てめぇ、そういって逃げるつもりじゃネェだろうな?」
俺「い、いえ!」
893「そうか。。。逃げたら。。。どうなるかわかってるな?」
もう本当にオシ〇コをちびりそうになるくらい背筋が凍り付いていた。
心霊現象や幽霊の怖い話はよく聞くけど、
正直、そんなものよりも人間のほうがよっぽど怖いと思った。
俺は、猛ダッシュで交番まで車を先導する。
893の車は見た目こそイカツイが、
そこらへんのチンピラの車と違ってものすごく音は静かだ。
それが逆に無音の威圧感となって俺に襲いかかる。
交番に到着して、一足先に中へ入った俺は、大慌てで事の経緯を説明
「あの、この前駅前で札束を拾った○○ですけど
落としたのが893だったみたいで、
警察に届けたって言ったら案内しろって言われて、
これから入ってきます。。。」
そうこうしているうちに、休む暇もなく、
893の方々が3人、交番にドスドスと入って来た。
893「こんばんわ!カネ落としたんですけど、届いてますか?」
彼らの車は2台。残りの方々は車の中で待機している様子。。。
逃げ出すにも逃げ出せねぇ。。。
警察は、大まかな経緯を俺から聞いているが、
念のため、もう一度聞き直す。
警察「お金を落としたんですね?詳しくお聞きしてもよろしいですか?」
893「あんな、俺らも時間ないから、早くしてくれやな!」
ここからは少し長いので省略するが、
警察は本当に落とし主かどうかを調べるために詳しく質問していた。
駅前で、いつ、どこら辺に、どのような状態で落としたのかを詳しく聞く。
途中から893がだんだん苛立ち始めているのが手に取るようにわかった。
警察「いくらくらい入っていたかお分かりですか?」
893「これくらいの小さめな封筒で、なかに。。。
400万円入っていたんだが!」
ん?おいおい、待てよ?
このとき、俺は鳥肌でいっぱいになっていた。
拾ったとき、確かにパンパンの状態で360万円が入っていた。
交番で改めて確認したから間違いない。
俺が拾う前に誰かがネコババした可能性も考えたが、
抜きとった形跡はなかったし、
第一それ以上入っていたようには見えなかった。
最初、拾った時に、なぜこんな中途半端な数字なのかと思ったが、
全てが一つにつながった。
893「もういいから、そこのガキがここへ届けたって言ってんだ!
早くしてくれや!!」
警察が届け出をした封筒を持ってくる。
893「おいこの野郎、中身が減ってるじゃネェか。。。
てめぇ糞ガキネコババしてんじゃねぇぞ!
きっちり数そろえて返せや!!」
恐れていた自体が起きた。
この人たちは、もともとわざとお金を落として、
それをネコババしようとした人に恐喝を入れようとしていたわけではなく、
ハナから届けられる事が前提で、不足分を弁償させるのが狙いだったのだ。
まくしたてる893だが、警察も譲らない。
警察「それは本当に「落とした」ということでお間違いないですか?」
893「だからそうだってさっきから言ってるだろうがぁ!!」
警察「お伺いする限り、落とした場所も時間も金額も
ハッキリわかっているようなのですが、
もし故意に落として通行人に拾わせて、
お金をだまし取るのが目的だった場合、
法律に触れる可能性があります。」
893「わしらが、嘘をついているって言うのか?あ?」
ますます白熱する口論の中、俺は警察と893の板挟みにあい、
逃げ出す事も帰宅して明日に備えて眠る事もできない状況。。。
そのあと、別の署から複数の警官が応援に駆けつけたりして、
小さな交番は人でギッシリになった。
あからさまに、彼らのしている行為は詐欺だとわかっていたため、
警察も強気な姿勢をとった。
その後、なんとか893が折れ、落としたお金を引き取り、
法律の定める謝礼金を1割置いていった。
893「ほらよ!!」
雑に謝礼金を手渡され、その時耳元に小声で
「しばらく、外歩く時は気をつけろ」と言って、出て行きました。
警察側としては今後、付きまとわれたり迷惑行為があった場合は、
法律上で罰する事ができるから相談しろとの話だったが、
実に他人事な発言にしか聞こえなかった。
事が起こってからでは遅いわけで、次会う時は死か、
それ以上のものを意味していることも自分なりによくわかっていた。
それから、しばらく人気のない時間帯には出歩けなくなった。
最寄り駅も利用せず、朝は一つ奥の駅までわざわざ早起きをして行き、
帰りは一つ前の駅からタクシーで帰宅するようになった。
あれから、住む場所を変え893にも会っていないが、
未だに真っ昼間でもフルスモークの白いクラウンが横切ると
鳥肌が立って逃げ出したくなる。
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