【気味悪い話】深夜に帰宅して郵便受けをチェックしてたら、パタパタッと足音がして小さな女の子が走って来た。目が合うと道路の方に走って行って「いたよ!」と誰かに言う声がした。気味が悪くて急いで部屋に入り、ドアの覗き穴から外を見てみると・・・
間一髪のタイミングで、さっきの女の子とその母親らしい中年の背の高い女性がアパートの入り口に来ました。
息を潜めて見ていると、母親は女の子に
『どこ?』
と尋ねている様でした。
母親の問い掛けに女の子は首を振っている様でした。なおも覗いていると今度は母親が郵便受けを開け始めました。
私の住んでいたアパートは2階建で、入り口にある郵便受けは1階と2階の合計10部屋分が集合していて上下二段になっていました。
母親は1階用の下段を覗いています。
私の部屋は1階の一番奥の105号室でしたが103号と104号と私の所の3部屋分の郵便受けから手作りの冊子が棄ててあった様でした。
どうなる事かと見ていましたが、母親はバッグから小さなノートを取り出して何か書き込み始めました。
しゃがんだ母親はペンライトを口に咥えてノートをてらしながら書いているのですが時おり、フッと顔を上げてこちらを見ました。
口のペンライトの光がノートに反射して母親の顔がボウッと見えるのですが
釣りあがった目をしていて髪はストレートというのでしょうか、ピタッと顔の両側に張り付いている様な感じです。
正直こんな事を書くのは嫌なのですが、しゃがんだ姿で振り向いたせいでスカートの下のストッキングが見えてしまって、
これが何か子供のはく様な分厚いタイツみたいなストッキングでひどく破けていて気味が悪いのです。
母親は立ち上がると、103号の前に行きインターホンを押しました。
こんな深夜に非常識極まりないと思いましたが、しばらくすると中の人がインターホンに出てきたのか母親が何かしゃべっている様です。
母親は驚いた事に女の子を抱っこしてドアの覗き穴の場所に上げました。女の子をドアの向うの住人に見せている様でした。
5分くらいそうやっていたでしょうか、今度は104号に向かいます。104号のインターホンには応答がないようでした。
遂に母親は私の部屋のドアに近付いてきました。
ドアの目の前に来た親子がはっきり見えました。母親の顔は汗でびっしょりと濡れています。
ストレートスタイルと思った髪は汗で濡れて顔に張り付いていてまるで水から上がったばかりの様になっていました。
インターホンを押してきましたが当然反応はありません。
ジッと顔をインターホンにくっ付ける様にして何度もボタンを押しています。
押し方が弱いと思ったのでしょうか、グイグイと何度も押しているのです。
私はドアの前で一切の物音も立てないようにしていました。
居留守がばれるとあの親子の様子ですから何をしでかすか分かった物じゃありません。
それこそ息も止めていたほどでした。インターホンを押すのを止めた母親はドアノブに手をかけました。
信じられませんが下を見るとドアノブが動いています。
何度もガチャガチャとやった後、親子はやっとあきらめたようでアパートの入り口の方へ戻っていきました。
(いや〜まいったな。やっと帰ったか)
ドッと疲れた私は玄関から部屋へ入り照明のスイッチを押そうとして手に持ったカバンを床に置きました。
部屋のドアを開けようとした時にフッと思いついたのですが、私のアパートの1階の各部屋には外に洗濯機なんかを置いておくスペースがあります。
アパートの入り口から横へ廻ると各部屋のそんなスペースに容易に入れるのです。
まさかとは思ったのですが、さっきの親子が部屋の外の洗濯機置き場にいたら?と思うと恐くなって部屋の明かりを点けるのをためらいました。
もし外で待っていたら?そこで部屋の明かりが点いたら?どうなるでしょう。そう考え始めるとカーテンの向うが不気味で仕方ありませんでした。
あれこれとよけいな想像もはたらいてしまって、結局玄関に30分程ジッとしていました。
それからドアの覗き窓を確認して誰も居ない事を確認したあと部屋へ入ったのですが、足音を立てないように慎重にして、
結局部屋の明かりは点けづにスーツだけ脱いで床にゴロンとして寝ました。
断続的な眠りをとってようやく外が明るくなり、がまんしていたトイレにも行きシャワーも浴びて一息ついたところで昨夜の郵便受けを見に行きました。
103号のフタが半分開いています。悪いとは思ったのですが覗いてみました。
【昨夜は夜分遅く、大変失礼致しました。〇〇(例の女性と思われる名前)】
と書かれたノートを数枚折った物が置いてあります。さすがに中身を読むのはためらわれすぐに元に戻しました。
104号を覗くと
【ご不在にうかがい、お会いできず残念です。〇〇】
とあります。
うわあ、気持ち悪いなぁと思いながら、自分の郵便受けを探ってみました。案の定ノートを数枚たたんだ紙片が入っていました。
【深夜までお仕事だったようですね。ご苦労様です。〇〇】
と書いてあります。
なんだ、これ?と思いながら広げてみると
【U様(私の名前です)。昨夜はお仕事でお疲れの所、突然うかがいまして失礼致しました】
とあり、以下その親子が山陰のS県出身であり、親子で△△教に入信していて全国各地を廻りながら「この人は」と思った人に会って△△様の話をしている、うんぬんと書かれていました。
なんでも一昨日は隣のK県にいて、昨日、徒歩で私の住むO区にやって来たそうです。(因みに私が住んでいたのは都内某空港のそばです)
5月の大型連休の直後でしたから、夜とはいえ徒歩でずっと来たからあのように大汗をかいていたのだろうか?などと思って読んでいますと、最後の方に
【U様のお宅はインターホンが壊れておいでのようですね。】
とあります。
【娘がぜひお会いしたいと裏でお待ちしていましたが、お気づきになられなくて残念でした】
心臓がドキッとしました。
まさか。やっぱりあそこにいた?
あわてて部屋に駆け上がり、カーテンを開けました。するとガラスにくっきりと小さな手形が付いており、両手の間には丸い湿った跡があるのです。
あの女の子は両手を付いて、顔をガラスにピタッと付けて中を覗いていたのです。いったいいつまでそうやって私の部屋を覗いていたのでしょうか。
近所には交番がありまして、そこのお巡りさんは非常に防犯に熱心な方のようで、防犯パトロールという活動をしています。
私の様なアパートの1人暮らしを中心に部屋を訪ねてくるのです。偶然なのですが、夕方にお巡りさんがやってきたので今回の話をしました。
『近所でもそのような届け出は出ていませんが』
と言いながら郵便受けを確認しています。101号と102号にはしっかり例の冊子がありました。
さすがに不在者の私物は押収出来ないので、私の他3人が棄てた冊子を証拠として持ち帰ろうと、とり合えず私の物を
『いいですか?』
と言って調べました。
私自身、昨晩ちょっと見ただけで棄ててしまった物ですから改めてお巡りさんとジックリ見てみました。
最後のページに写真が貼り付けてありました。若い女性が赤ちゃんを抱いて笑っている写真です。
『昨夜の人、この人ですか?』
と聞かれました。
非常にきれいな女性で、歳も若くとても昨日の親子には見えません。
そう答えると
『う〜ん。新興宗教とかの手口ですかね。こういう若くてきれいな女性が大勢いるって言いたいんだろうけど…』
と言い、
『でも夜中に押し売りみたいな事しといて、こんな写真残したってねぇ』
と苦笑いしていました。
結局、二度とあの親子が現れる事はなく、お巡りさんも度々パトロールでお会いする様になり
(やっぱり警戒してくれてるんだなぁ)
と変に安心したりするうちに会社の転勤でそこを引っ越す事になったのです。
幸いこれといったその後の事件のような事には遭っていません。しかし、1つだけこんな考えが今でも頭をよぎるのです。
「あの時の写真、お巡りさんが言ってた、客引きの為のニセモノ写真なのかなぁ」
あの写真は、彼女達のような信者が何もかも捨てて信仰に邁進した結果なのではないだろうか、入信する前は本当にあの写真のような幸せな親子だったのではないだろうか。
今でも全国各地をあの親子の様な変わり果てた姿になって、一心不乱に布教活動している親子がいるのではないだろうか、と。
引用元:https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1185887477/
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