【修羅場】ど田舎の夜道で行われるマラソン大会の練習に強制参加。運動音痴なので最後尾をモタモタ走っていたら、伴奏の大人たちに置いて行かれてしまった!
『頑張れよー!!』
表向き前向きな言葉をかけながら伴走車は去って行ったが、よそ者の子供を真っ暗な山道に置き去りにする大人達には心に一物あったのではと疑ってしまう。
車がいなくなると田舎の山道の暗闇が容赦なく襲ってくる。人家も全然ないので明りなんてロクにない。山道のほぼ中間なので、行くも帰るも地獄である。
かろうじて月明かりに照らされる道を、吐きそうになりながら走った。(つらくなって時々歩いた)
何度か走ったコースだが、明りがあるのとないの、後ろに大人がいるのといないのでは全然違う。
『暗い!怖い!帰りたい!!』
こけた、痛い!水たまりでズボンがドロドロになっているが暗くてどうなってるかもわからない!膝はジンジンする、涙があふれてくる、でもきっと誰も迎えには来ない。
泣きじゃくりながら走りに走って、左右から竹がせり出してドーム状に覆われた道に差し掛かったときだった。
ドームが開けた向こうの路上に、淡い月明かりの中、ぽつんと黒い人かげが立っていた。
『おじちゃん達のだれかだ!迎えに来てくれたんだ!!』
俺は猛烈に救われた気になって、短距離走ばりのスピードを振り絞って駆け寄ろうとしたが、ふと思った。なんで車もないし電灯も持ってないんだろう。
まだゴールはずっと先のはずだから、おじさんだって車がないと大変なはずだ。
迎えに来たんじゃないのかな…?じゃあ何のためにこんな暗闇に電灯も持たず一人でいるのかな…?
もしかして人間じゃ、ないのかな…?
急にやばい気がして立ち止った。と同時、人かげがこっちに向かって走ってきた。俺は
『ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』
と泣きわめきながらもと来た道の方へ走りだした。泥にまみれた靴の中で足が滑り、顔からずっこけたがそれどころではない。
足を引きずってでも人かげから離れようとした矢先、人かげが
「〇〇とこの!!」(〇〇は俺の名字)
と叫んだ。
「〇〇とこのガキじゃないか。どうした大丈夫か」
恥ずかしながら、俺は失禁して腰砕けになっていた。
真っ暗なので顔がはっきりとは見えないし、まだ面識も広くないのでよくわからないが、俺の名前を知っていることから察するに、地域のおっさんの誰かのようだ。
張りつめた緊張が色んな形でブチ切れたので、俺は耐えられずおんおん泣いた。
「まあ帰ろう。親御さんも心配してるだろう」
おっさんは俺の手を取って立たせ、失禁も気にせずおぶってくれた。なんと幸せなことか。おっさんの背中に安心しきりだったが、ふと思い立って肩越しに聞いてみた。
『おじちゃん、車も電気もないの?大丈夫?』
「あー…ダメだダメだ」
おっさんが答えた。
変な返事だなwwダメってダメだろwww緊張の糸が切れた有頂天の俺には何か遠い世界の声に聞こえた。他人事みたいだ。
『おじちゃんだけ来てくれたの?他のみんなは?』
「あー…ダメだよそれ」
噛みあわねぇwwwどういう答えだよwwwあれ?山側に向かって歩いてる?www
『おじちゃん、こっちは…』
「あっダメだよダメ!」
「ダメダメ!もう聞くなっ、きくなっ、きくなっきくなっあ゙あ゙あ゙あ゙あああ!!!!」
おっさんの声が伸びたテープみたいなモァンモァンの声になって、肩越しに急に振り向いた顔は目の前で見ても真っ暗闇だった。俺の記憶はそこで飛んだ。
俺が目を覚ましたのはその日の深夜。心配して探しにきた親に泣きながらビンタされて起こされた。俺は山道から谷側に少し入った草むらに倒れていたようだ。
一番怖かったのは地域の連中が1人も俺を探しに来ていなかったことだ。新居を引き払い、俺達一家は引っ越した。
- 【衝撃】長女を妊娠してすぐの頃、夫と買い物中夫が人違いで刺された。そして長女が産まれたら・・・
- 【嫁同士】義兄の子供(大学生)をうちで4年間預かれと言われたので、4年間も預かれない、って断ったら、怒り出した義兄嫁。私は舅の介護や姑の面倒を一生懸命見てるのに申し訳ないと思わないの?という言い分だが……
- 【吹いた武勇伝】妹の部屋にサークルの先輩(男)が深夜に来ては「終電ないから止めて☆何もしないから」と言っては始発までいることが何度かあり、先輩の手前うまく断れずに困ってると相談されたので、オタクスポーツマンの俺は……
- 【笑】店員「何名様ですか?」 彼氏「2人です」 彼女「いいえ3人です」 彼氏「何言ってんだよw」→なんとw
- 【エネ夫】旦那が「夏休み、義姉の子供を預かることにしたから」と勝手に決めてきた。私は今妊娠8ヶ月、3歳の子もいるのに絶対ムリ!と思った私は実家に帰った。そしたら旦那から電話がきて・・・
- 【不気味】特に接点も無いのに制服クレクレしてくるAさん。お断りしたのに人づてに伝えてきたり私の子供の持ち物を預かると言ってきたり…。なんだか気味が悪いと思っていたんだけど、さらに気味の悪い出来事が…。
- 【武勇伝】私は足に障害があって歩き方がおかしいんだけど、そんな私を見て小学校低学年くらいの男の子が「あの人歩き方おかしい!」と笑った。そしてそれを注意するでもなく「そうね!」とニヤニヤする母親。隣に座っていた男性が見かねて注意してくれたんだけど、だめだこいつ…な返事が。すると男の子3人組がふきだした。
- 【修羅場】母は兄を超溺愛している。兄が結婚したが3年で浮気した。浮気がバレたとき、兄は「経産婦の妻はもう女として見れない。父さん母さん弁護士頼んで」と実家に言いに来た。すると母は…
- 【GJ】ピンポーン。私「誰だ?」隣の家の子「ママがママが」私「!?」隣の家に向かうと…
- 【墓場まで持っていく話】実家のリビングで、姉貴の旦那に犯されかけた。姉貴は子供を寝かしつけに2階に行ってたし、両親はもう寝室に行ってた。私が騒いだら姉期旦那の味方なんか誰一人いねえよと思ったが……
関連記事
-
【修羅場】新幹線の2人掛け席の通路挟んだ向こう側から視線を感じた。その時、私の隣に座っていたのは10年ぶりくらいにたまたま会った幼馴染みの男。その視線の主は、幼馴染みの彼女さんで……
新幹線の2人掛けの席で通路側に座りふと見ると、たまたま隣の乗客が幼馴染み(男)だった。 10年
-
【虐待案件】ファミレスのボックス席に家族連れがいた。幼児のほうはかいがいしく世話されているのに、5,6歳の娘のほうが身なりもボサボサ。
少し前、友人とファミレスでご飯を食べていた時、 私たちが座っていた所の隣のボックス席に家族
-
【結婚式の修羅場】新郎上司が挨拶の最後に「新郎君のロンドン支社への栄転が決まりました」と言って新郎新婦と親族がざわついた。式自体は滞りなく進んだがその後…
新郎上司が挨拶の最後に 「もう一つめでたいことがあります。昨日の会議で新郎君の ロンドン支社への
-
【バーサーカー状態】家に帰ると娘の自転車に鞄が入りっぱなしで娘がいない。あれ?と思いつつ物音がした気がしてアパートの裏にまわると、男に襲われる娘が!状況を理解した私は…。
結構前なんだけど、仕事が終わって買い物してチャリで帰宅途中 反対から娘が自宅アパートの敷地
-
【修羅場】夫と仲の悪い義妹が結婚し「祝儀がないことの慰謝料払え」と請求してきた。弁護士立てて逆に慰謝料を勝ち取ったら、今度は車いすのババアがうちの前に放置されるようになり・・・
6月に、義妹が結婚した。 夫と仲が悪いので、事前の報告は一切なく、 入籍後に